蔡英文総統が7日午前、台湾南部・高雄市を訪れて「台湾碳権交易所」(以下、温暖化ガス排出量取引所)の開所式典に出席した。蔡総統は、カーボンニュートラルを目指す中、今年から2030年までに全体で4兆台湾元(約17.7兆日本円)を超える民間投資を実現し、5.9兆台湾元(約26兆日本円)の売上げにつなげ、55万人以上の雇用を生み出したいと述べた。
「台湾温暖化ガス排出量取引所」の本部は高雄市に設けられ、式典には蔡総統のほか、陳建仁行政院長(=首相)、高雄市の陳其邁市長らが出席。同取引所は行政院国家発展基金と台湾証券取引所が共同出資して発足。本社は高雄市で、情報取引センターは台北市に設けられる。
蔡総統は、近年米国のニューヨーク、イギリスのロンドン、日本の東京、シンガポールなどで相次いで温暖化ガス排出量の取引プラットフォームが出来ていることに触れ、「台湾温暖化ガス排出量取引所」は世界がカーボンニュートラルを目指す潮流に台湾を乗せ、他国の取引所との国際的な協力を可能にするとして、同取引所が台湾の目標達成を助けるキー的な役割を果たすことに期待を込めた。
陳行政院長は気候変動による深刻なリスクについて、このところ台湾に接近した二つの台風が浸水被害をもたらしたほか、数年前には過去100年で最も深刻な水不足も起きたと指摘、政府は「将来を見据えたインフラ建設計画」の前倒しで洪水や水不足の影響を最小限に抑えているとする一方、先週の台風による土石流で被災した高雄市桃源区と南投県仁愛郷が1日も早く正常な生活を取り戻せるよう願った。